パリに1年間交換留学する、とある慶應生の雑記へようこそ。
交換留学に行きたい!
今回はそんな熱い気持ちを持つ人に向けて、渡航までの具体的なロードマップを描いていきたいと思います。現在準備中の方や、出願を考えている方が具体的にイメージができるようにまとめていきます。大学や渡航先に関わらず役に立つ情報を盛り込んでいます。
特にフランスに渡航する方は私が経験したことを真似できる点が多いと思います。
2週間後に渡航を控え、準備や手続き終えたてほやほやの私が全て解説します!
その前に、そもそも交換留学って何?という方は以下を参考にしてみてください。
流れを確認しよう
まず、大まかな流れとして押さえておくべきステップは以下の通りです。
学内選考
交換留学生として渡航を実現するにはまず、自分の大学の候補生として選出される必要があります。多くの海外大学では秋からが新学期となるため、通常その一年前の秋に選出が行われます。慶應では夏休み後半の9月中オンラインで書類の提出が求められます。学内選考は主に書類選考や面接で行われますが、私の場合書類のみでした。
●書類審査
慶應義塾大学国際センターHPより
※2023年度の選考から面接審査が廃止となりました。
大学や年度によっても異なる可能性があるので詳しくはホームページ等で調べることをお勧めします。
慶應のものはこちらのホームページから確認できます。↓
学内選考のポイント
学内選考を通過するためには大きく3つの点をおさえて置く必要があります。これは多くの大学で共通しているポイントです。
①GPAの要件を満たすこと
②語学力の要件を満たすこと
③留学の志望動機、留学先での計画がはっきりしていること
①GPA要件
GPAは大学における成績です。出願のための最低基準が設けられており、また志望大学によっても基準が変わるので注意が必要です。交換留学に行きたいと思ったら、出願までの間ある程度の成績は取っておくことが重要になります。
②語学要件
海外大学で勉強するにあたり、出願の時点で語学レベルの要件が課されています。志望する大学によって要求される語学レベルは異なるので十分に情報収集をしておく必要があります。
多くの留学生は英語圏の国であるかどうかに関わらず、英語で授業を取ることになります。TOEFL iBTやIELTSの点数を、出願までに準備しておく必要があります。
私のように英語の授業は取らず、基本的にフランス語で行われる授業を受ける場合には、英語以外の資格(私の場合フランス語資格のDELFもしくはTCF)を準備する必要があります。英語以外の場合は資格試験の開催頻度が少ないので、間に合わないということがないよう前もって計画的に受験するようにしましょう。
③留学の志望動機、留学先での計画がはっきりしていること
①②は出願における最低条件でした。3つ目が選考において審査の対象になる点です。
慶應の場合、学内選考の提出書類で求められたのは以下の3点でした。またこれらを、日本語と留学中に使用する言語で書く必要がありました。私の場合日本語とフランス語の2言語でしたが、ドイツの大学に渡航しドイツ語と英語両方の授業を履修するような場合は3言語で書く必要があるようです。
・交換留学を志望する理由
・留学先での計画について
・志望校別志望動機
志望理由については後日記事を作成します。
計画については、第一志望の大学に絞ってまとめました。(私は第一希望しか出願しませんでしたが、複数校を出願していた友人も第一希望に絞ってまとめていました)内容としては志望校のシラバスから受講予定の具体的な授業や、課外活動について、志望理由と整合性がとれるような形で書きました。志望動機で語った経験や想いを元に、実際に出願者が留学の中で目標に向かって行動できるのかという点が審査されるものだと思われます。私は上記のような具体的な行動についての計画を示した上で、その計画がどう志望理由と論理的に結びついているのかということを語りました。
志望校別という点に関して、慶應では最大第六希望まで出願することができるため各校に関して志望理由をまとめる必要があります。ここに関しては分量が短かったためあまり濃い内容は書けませんでしたが、他の大学にはない特徴が志望動機であることを強調するよう意識しました。やはり志望校大学のホームページ等を用いて情報収集することは必須です。
加えて、いくつかの必要提出物がありました。当たり前のことですが、事務的なものまで完璧にそろえ時間に余裕を持って出願することが大切です。
学内選考突破→正式決定
晴れて学内選考を突破したら候補生として準備を進めていくことになります。
候補生でも行けないことがあるの?と思ったそこのあなた。
基本的に交換留学においては大学が選出した候補生=交換留学生と捉えて問題ありません。ただし、あくまでこの制度は2つの大学の連携によって成り立っているため相手側の大学の許可を待つ必要があります。候補生になったのにも関わらず交換留学を実現できないというパターンの可能性として挙げられるのは、相手大学の受け入れ要件が急遽変更になった(例えば語学要件のレベルが一気に上がった)ことなどによる相手大学の都合によるものが大きく、正直これは運次第としか言えませんが候補生に選ばれたからには準備を進めていくべきでしょう。
実際に私が学内選考通過の連絡を受けたのは11月半ばで、フランスの大学からメールが届いたのが4月になってからだったので、4ヶ月間くらいは「ほぼ決定」みたいなフワッとした状態で過ごしていました。ただし、12月には学内での交換留学者用説明会が開催され、その中で今後の手続きの流れを説明されたり留学者同士の交流の機会も設けられており、やはりサポート体制が整っていて安心したことを覚えています。
候補生に選抜されてから正式決定の間は慶應が志望大学に「私」を候補者として推薦する時間となります。そのため、国際担当の方と何度か事務的なやり取りをしました。
各種手続き
正式決定後、渡航に向けてもう一踏ん張り必要なのが手続きです。この手続きは大きく分けて以下の3点に分けられます。
①自分の大学内部の手続き
②渡航先大学内部の手続き
③その他の手続き
①大学内部の手続き
大学内部の手続きは少なく、比較的スムーズに行うことができました。留学届を提出するなど、大学によって異なると思いますが、私の場合わからないときはすぐに学生部の国際担当窓口まで行って聞いていました。聞けばしっかりと説明してもらえるので戸惑うことはないと思います。留学仲間と助け合いながらやると楽ですが、所属学部によって手続きが若干異なることもあったので注意が必要です。
国際担当の方には手続きの進捗を報告するようになっていて、ビザ取得や保険加入のタイミングで状況を提出していました。遅れていると催促のメールも送ってくださり本当に助かりました。
②渡航先大学内部の手続き
一貫してメールでのやり取りを行なっていました。大学システムへのアカウント登録や、各種個人情報の送信、など細かい提出物がたくさんありました。ここの辺りからはパソコンでしっかりとファイルを作ってまとめておかないと訳がわからなくなるので注意しましょう。基本的に書類等はデジタル化して送信することになります。デジタル化はアイフォンなら「メモ」アプリのカメラ部分に「書類のスキャン」というところがあるので簡単にすることができます。私の場合慶応から同じ大学に渡航する学生がもう一人いたため、助け合って手続きを進めていました。割と普通に相手側のミスが原因で手続きが進まないということもあったので、わからなければその旨をすぐに伝えることが大切だと思います。渡航先に行くのが自分一人という場合は特に、できるだけ早く作業を進めていきましょう。
③その他の手続き
その他と言いつつ、手続きの大部分がここに分類されます。内容は以下の通りです。
・航空券予約
・ビザ
・滞在先確保
・保険
・奨学金
航空券予約
これはできるだけ早く行いましょう。渡航直前になると価格が上がりますし、手続で渡航日を書く時もありました。
航空券の価格と同時に私が注意していたのは預け手荷物の規定についてです。長期間の渡航となると荷物の量が多くなります。実際に私は大きなスーツケースを2つ準備しました。航空券自体の価格が安くても、無料の預け手荷物がなかったり、小さいサイズのものしかダメであると言った場合には他の航空会社を検討することをお勧めします。多くの場合預け荷物の追加には高い料金が発生するからです。
私はフランスまで台湾を経由して渡航します。理由は、台湾エバー航空で無料手荷物が2個、それぞれ23kgまで預けることができるからです。フランスに行く方は是非真似してみてください。
ちなみに航空券の購入にはSkyscanner がおすすめです。私がnoteで書いた記事の中で手順を解説しているので参考にしてみてください。
ビザ
ビザに関しては私が実際に行った以下の記事を参考にしてください。
滞在先確保
滞在先に関して私は比較的楽に確保することができました。大学によって異なりますが、私の場合渡航先大学(INALCO)が寮を手配してくれるとのことで、それを依頼するかどうかを問う欄が出願時にありました。留学の正式決定後にも再び同じことが問われ依頼すると、確約はできないと言っていたものの、5月ごろ寮の詳細に関する連絡が来ました。その後7月に急遽寮の場所が変わったという連絡がありましたが、無事寮を確保することができました。
私が滞在するのはCrousという公的な団体が提供している寮で、安心できそうです。実際の寮の様子は渡航後に紹介したいと思います。
また、寮を確保した後の手続きもかなり多かった印象です。住宅保険への加入や、フランス人の保証人をつけることが義務化されていること(私を含め保証人の確保が難しい場合には代替の手続きを行う必要がありました。)などはフランス語(英語)のページで行う必要があったので少し時間がかかりました。
寮に関する手続きは以下でまとめています。
保険
保険に関しては悩む必要もなく、学内選考後の大学での留学者説明会の際に案内があり、それに沿って支払いを済ませました。付保証明は印刷し、携帯するようにします。また私は万が一に備えて英語の付保証明を依頼し、発行してもらいました。
奨学金
私の渡航先はフランス・パリ。ただでさえ物価の高い街である上、円安が重なり1年間の滞在にはコストがかなりかかります。結論から言うと私はJASSO(日本学生支援機構)の奨学金に応募し、給付型の奨学金を受け取りながら留学生活を送ることになりました。この奨学金については慶應の国際センターから案内があり応募に至りました。
他にも応募できる奨学金があり、その多くは個々が探して応募する形になります。以下のようなサイトを利用して探す必要がありますが、時期や応募条件がそれぞれ異なるので自分に合ったものはどれか見極めましょう。
奨学金にはその選考方法にもさまざまな種類があります。書類だけのものや面接が必要になるものもあり、大阪まで行って面接を受けている友人もいました。また、家庭の経済状況を重視するものから留学生の志望動機や将来性を重視するものまで幅広く存在します。
複数の受給ができない奨学金もあるため、早くから探し始め、どれに応募するか決めましょう。
渡航
渡航に向けての最終準備として私が行ったのは荷物の準備と事前調べです。
荷物準備
荷物・持ち物に関しては以下の記事にまとめています。
事前調べ
ここまでで手続きは終了!留学生活スタート!
と言いたいところですが、渡航後にもいくつかするべき手続きが残っています。これらの手続きは、フランスの携帯番号、口座番号が必要であるなどの条件が理由で国内で済ませて渡航することができないもののリストです。
・在留届(オンライン)
・戸籍謄本の提出→出生証明書申請取得(在仏日本大使館)
・ビザ有効化 →滞在証明証取得(オンライン)
・携帯キャリア契約 (店舗にて)
・口座開設(店舗にて)
・セキュリテソシアル(オンライン)
・CAF申請(オンライン)
私は事前調べをすることによって渡航後、手続きに迷って無駄な時間を過ごさないように準備しました。特に携帯キャリアや口座開設は自由度が高く、自分でやらなければいけないことなので下調べが重要です。ただ、これを読んでくださっている皆さんには私が事前調べをした上で渡航後どのような手続きをしたのか全て共有いたしますので以下の記事の内容をそのまま真似していただければと思います。
いかがだったでしょうか?
今回の記事を通して交換留学の「渡航までが少しでもイメージできた」、「具体的な手続きの内容がわかった」という方がいれば幸いです。
今後もパリでの留学生活についてや、フランス語に関する情報を発信していきます!
それではまた。